後輩との出会い

 母親と娘が、年金相談に来た。着ている物も高そうだし、ちょっと場違いな感じ。どんな相談かと聞けば、障害年金だと言う。娘が、精神を患っているとか。でも、娘は、40代後半とは思えないほど若々しいし、生活の苦労も感じさせない。ただ、顔立ちはきれいなのに、かまうことは好きじゃないようで、化粧もとりあえずつけただけという感じ。年金は払ったことがないと母親が言う。ちょっと二の句がつげず・・
 よく聞けば、大学生のときの初診日だと言う。とりあえず、保険料の納付要件を確認。就職したのは、わずか6ヶ月。厚生年金6ヶ月以外に、保険料を納めた形跡はない。今は、母親の遺族年金と遺産で生活しているのだと言う。私が死んだらこの子はどうなるのかと、心配する母親が娘を連れてきたようだ。
 よくよく話を聞けば、娘は大学の後輩に当たる。幼稚園からずっと大学まで、同じ学校で育った典型的なお嬢様。私の在学中にも、精神を病んで来なくなってしまったり、自殺したりする子はいたけど、この人は、完璧に出席し、常にトップの成績をとっていたと言う。父方の遺伝だと本人は言うが、何かトラウマになることが、大学生のころにあったのだろうか。
 学生が、任意加入だった時代に、初診日がある障害は、保険料納付要件を満たさなくても、障害給付金が出るようになった、月額5万円だが。
とりあえず、彼女にはこの話をし、初診日を特定し、そのときの状況を証明できるかどうか、病院に問い合わせて、できるようなら市役所に行って手続きするように言う。大昔のことなので、かなり難しいだろう。でも、現実に保険料を払っていない以上それ以上のことはできない。