無年金

 昨日来たとてもかわいい女性。なんと60歳になっているというが、どう見ても30代か40歳前後に見える。別に化粧をしているわけでもなく、雰囲気がかわいらしい。でも、彼女は独身で、パートの仕事を続けてきただけ。2歳年上のお姉さんと来たが、その人も生活の面倒は見切れないだろうと言う。彼女の年金加入は、大昔にデパートに勤務していた4年間だけ。国民年金も払っていないので、年金受給はできない。「結婚していた期間とか、同棲していた期間とかないの?」と聞いたら、お姉さんいわく、「この子、不倫しかしてこなかったの。」・・・それでは、カラ期間も使えないから、やむなく脱退手当金を請求させた。ほんの少額しかでないけど、それであきらめてもらうしかない。
 「あとは、身寄りのない年金受給者と結婚して、遺族年金を狙うしかないかも。」なんて、冗談を言ってしまったが、この人は働けなくなったらどうするんだろうか。「先のこと考えたくないから、考えないまま生きてきたのよ。」と彼女は言う。でも、その「先」は、目の前。それでもさほどの緊迫感もなく、「今の若い子達もこうなるのよね。」なんて、つぶやきながら、さわやかに帰っていった。あのさわやかさは、やはり魅力的。単に、浮世離れしてるだけともいえるけど・・・